Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

韓国の大学事情:季節学期

韓国の大学と日本の大学、似ているところも多いけれど、違うところもある。せっかく大学で働いているので、これから、折に触れてその辺りのことを書いてこうと思う。

 

まず、韓国の大学は、日本の大学と同じように、前期と後期の二学期制。ただ、スケジュールが異なる。日本の場合は、大体、次のような感じだと思う。

- 前期:4〜7月
- 夏休み:8〜9月
- 後期:10~1月
- 春休み:2~3月

 

韓国の場合は、大体、次のような感じ。(韓国では「前期・後期」という名称より「1学期・2学期」という名称を使うことが多い。)

- 1学期:3〜6月
- 夏休み:7〜8月
- 2学期:9~12月
- 春休み:1~2月

 

どちらも二学期制で、2ヶ月くらいの長期休みが2回ある。ただ、日本は年度が4月から始まるが韓国では3月から始まるため、全体的に1ヶ月くらい日本よりも早いスケジュール展開となっている。

 

さて、1年の流れをざっと見た後で、今日は季節学期 (계절학기) のお話。季節学期とは、長期休みの間に授業が開講されるシステムで、学生は授業料を払って受講し、単位が付与される。

 

僕が勤務する大学では通常の学期と同じ授業が開講される。(夏休みなら前期と同じ授業、冬休みなら後期と同じ授業。) だから、通常の学期に授業を取りたかったが、何らかの事情でその授業が取れなかった学生さんが季節学期の間に履修するのだ。

 

ただ、季節学期で開講される授業数はとても少なく、聞きたい授業が運良く開講されるわけではない。実際、僕が季節学期を担当したのはもう何年も前だ。

 

そして、今回、久々に季節学期を担当することになった。通常は季節学期の時も大学に来る必要があるのだが、今はオンライン授業が義務付けられているため、通学・通勤の必要はない。このような理由で、例年よりも季節学期の授業生は多かった印象を受ける。他の理由としては、コロナのために交換留学がキャンセルになり、留学を予定していた人が季節学期を受けにきたというパターンも結構あるようだ。

 

季節学期の場合、平日は祝日でなければ毎日、授業をする。通常の学期であれば週に1回なのだが、季節学期の場合は週に5回。なんか不思議な感じがする。まあ、小中高ではこれが普通なんだろうけど。

 

今回は討論形の授業を2つ担当。授業は中間試験と期末試験もあわせると16日分あるため、3週間以上、祝日を除き毎日学生さんと議論をしてきました。(大晦日も授業をしてました ^ ^;) あいかわらず学生さんのレベルは高く、時事的な問題への関心も強い。こちらもとても勉強になりました。

 

そんな季節学期も、今週の木曜日で終了。先ほど、無事に成績もつけ終わりました。皆さん、お疲れ様でした!!

 

ちなみに、日本では季節学期に相当するような制度はあまり聞いたことはない。似たようなものとして「集中講義」があるが、そもそも目的が異なる。集中講義の場合は、その大学で学べる学問の幅を広げるため、他の大学 (海外も含む) から先生を招いて講義をしてもらう。よって、通常の学期に開講される授業とは全く異なる授業となる。僕の記憶が正しければ、(一年間の授業料を納めていれば) 特に別途の受講料はかからないし、期間も1週間以内で終わるのが普通だと思う。

 

そういえば、僕が日本で大学院に通っていたころには著名な研究者の方がアメリカから集中講義で来てくださったのだった。今考えると、かなりすごいことだったなあ。

 

色々と書いていたら、思ったより長くなってしまった (笑) また気が向いたら、韓国の大学事情を書いてみたいと思います。

 

とりあえず、季節学期も終わったし、明日からは研究時間を増やしていこうと思います!