Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

磯野真穂先生のウェビナーに参加

以前にSNSで磯野真穂先生のことを知って以来、先生の活動にずっと興味を持っていました。最近はウェブ上でのセミナー (= ウェビナー) の活動をされているということで、いつか受講してみたいなあと思っていました。

 

そんな中、磯野先生の新しいウェビナー情報をキャッチ!「いつかやってくる、死の話」というタイトルでしたが、関心のあるトピックだったので参加させていただきました。

 

今回は白井敬祐先生 (ダートマス大学で勤務されている医師の方) がゲストでいらしていて、とても興味深いお話を聞かせてもらいました。白井先生は誠実に、にこやかに話をされる方で、患者さんからの信頼も厚いのだろうなあと想像しました。

 

磯野先生が巧みに話の方向性を定めていきながら、白井先生がご自身の経験をもとに色々と話してくださいましたが、特に興味深かったのが次の言葉。

 

Death ends a life, but it does not end a relationship.

 

誰かからの引用ということでしたが、調べてみると Robert Woodruff Anderson というアメリカの劇作家の方のようです。

 

「死」が訪れるとその人との永遠のお別れが来たと思ってしまいがちですが、その人との関係性は終わらないというものです。

 

この点に関連して、仏教の年忌法要 (七回忌、十七回忌など) についても話が及びました。このような法要も、「死」が訪れた後でも関係性を確認するためのものとして意義深いということでした。

 

磯野先生は人類学がご専門なので、「生」と「死」という相互排他的な二項対立ではなくて、両者には重なる部分があり、その重なる部分から独立した「死」へと移る際の儀式が民族によってはある、、、というようなお話をされていて、仏教とはまた違った観点でしたが、こちらもとても興味深かったです。

 

ウェビナーでは色々な話題が出たのですが、僕個人としては、Robert Woodruff Anderson の言葉に触れることができたこと、そしてそれを具体的な経験 (特に、緩和医療の最前線での経験) に絡めた話を聞けたことが、特に収穫でした。

 

また次回、機会があれば参加してみたいな〜と思いました。