Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

語学学校

一昨日から、ソウルの語学学校に通っています。3週間の集中コースです。正直、思っていたものとは違っていました。

僕は初級レベルで僕の韓国語のレベルは相当に低いですが、全くの初心者ではありません。それなのに、授業がハングルの読み書きから始まってびっくりしました。そして、予定ではコースの最終日にはテキストの4課で終わるそうです。どのくらいのレベルかなと思って4課を観たら、文法は全部既に知っているし、単語も95パーセント以上(というか、ほぼ全て)知っていました。

できればレベル変えをしたかったのですが、一段上のクラスはレベルが高過ぎて、あと半年は勉強しないとついていけないかと思いました。従って、今のクラスで留まるしかありません。

韓国語を上達したくて高いお金を払って、しかも一日4時間も授業を受けているのに、到達地点がこの程度では納得がいきません。久しぶりに、心底怒りと焦りに震えました。

そこで、今日は朝早くに事務室に行き「レベルがあまりにも簡単過ぎて、このまま3週間毎日授業を聴いても、そのほとんどが既習事項であり、せっかくお金と時間を使ってきているので、とても心配しています。さらに、クラスの半分以上の人が僕と同じ気持ちだと思います。」と伝えました。昨日のテンションだったらもっと強く言っていたと思うのですが、一日たって怒りと焦りが少しだけおさまり、かつ語学学校の先生方にも事情があることを悟り、あまり強く言えませんでした。

しかし、先生も僕の不安を分かって下さり、今日から授業のスピードがかなり早くなりました。できればもっと早くして欲しいのですが、それでもかなり考慮して下さっているようです。

もうお金は払ってしまったし、コースも始まってしまった。そして、限られた状況の中で、先生は色々と工夫をみせてくださっている。だから、これ以上現状に不満を抱くのは良くないと思いました。僕の方でも工夫して、できる限り韓国語を上達できるようにしようと心を入れ替えました。

一つの工夫として、韓国語のアウトプットを増やすことを心がけたいと思います。これから韓国人の方にメールする時にはできる限り韓国語で文章を作成し、そして日常でもなるべく韓国語を使うようにしたいと思います。

ただし、研究も進めなければならないので韓国語だけに時間を割く訳にはいけません。ここ数日はまともな研究活動ができていないので、これについても真摯に取り組まなければなりません。

そして最後に一つ肝に銘じることがあります。それは、僕が抱いた教育への不満と焦りは、僕が日本語初級の授業を来学期に担当する際には、今度は僕がそれらの受け手になるということです。もちろん、僕の授業は必須講義で、どれだけ日本語が上手でも取らなくてはならないので、その点で今回の語学学校の授業とは性質が異なります。また、僕は会話の授業を担当していて、その目標の一つは楽しく授業を展開することなので、この点でも今回の語学学校の授業とは目的も多少異なります。でも、僕が教える立場になる時には、今度は教師の立場で学習者の不満や焦りと向き合わなければならないなと感じました。やはり、教育はとても責任のある行為なのですね。