Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

若者言葉

昨晩は、友人から名古屋の山本屋の「味噌煮込みうどん」を頂きました。これはやばいです。相当美味しいはずです。ところで、、、もう夜の9時だ。やばい!まだやらなければならない作業が沢山あるのに。。。

多少強引なところもあったと思いますが(苦笑)、上の文章では「やばい」が二度現れています。一度目の「やばい」はポジティブな意味で、二度目の「やばい」はネガティブな意味で。

なぜこんなことをブログの冒頭で書いたかというと、今日は若者言葉について考えていたからです。大学の先生から「日本語における単語の意味変化」についてまとめて下さいと依頼されていたのです。

さてどうしようと思い、とりあえず若者言葉についてまとめることにしました。題材は何が良いかな〜と考えていたら、ちょうど「やばい」を思いついたというわけです。

基本的な観察としては、以前は「やばい」はネガティブな意味で使われていたけれども、現在ではポジティブな意味でも使われるようになってきているということ。つまり、「若い世代の方が「やばい」をポジティブに使う割合が高い」という予測になります。但しこれは僕の個人的な思いつきなので、できれば客観的なデータが欲しい。

そう思って調べていると、文化庁が「国語に関する世論調査」の中で「やばい」について統計情報を出していました。

http://www.bunka.go.jp/1kokugo/16_yoron.html

2004年の調査では、16歳以上の男性・女性3,000人を対象に調査を行ったそうです。(恐らく、アンケートを配ったのだと思われます。)そのうち2,179人から調査に活用できる回答があったそうです。結構な回答率ですね。

結果はというと、やはり世代間で違いがありました。例えば、20〜29歳の男性では51.7パーセントが「やばい」をポジティブに使用したことがあるのに対して、60歳以上の男性では8.1パーセントに過ぎないらしいです。2004年の調査なので、僕は当時20代前半でした。その頃に僕は果たして「やばい」をポジティブに使っていたのだろうか、、、全く記憶にありません。

ただ、この調査結果では不明瞭なところがあります。それぞれの世代では何人が回答したかという情報が(僕が見た限りでは)分からないのです。だから、51.7パーセントと8.1パーセントと言っても、そもそも母数は何名かということが分からないのです。ただ、それでもやはり世代間の相違は顕著に存在する気がします。

さて、先生から頼まれていた仕事も一段落したので、自分の研究に戻るとします。やばいぜ。