Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

宇多田ヒカル "First Love"

今晩は JK-Project の作業を進めている。作業が一段落したので、久しぶりに宇多田ヒカルの "First Love" を聴いている。

この曲は本当に切なくなる。センチメンタルな思い出が呼び起こされるわけではないのだけれど、ただ切なくなる。

この切ない感情とは別に、別の意味で「切ない」物語が僕にはあるのです。

僕が日本で院生をしていた頃だ。僕が所属していた研究室では、夏に軽井沢のペンションで合宿をするのが通例になっていた。当時、研究室の先輩(女性)が婚約されたばっかりで、僕はそのお祝いにと思い、ペンションに置いてあるグランドピアノで演奏することを思いついた。

曲は何が良いかなあと考え、ふと思いついた "First Love" を演奏した。とても切なくなるラブソングだし、我ながらナイスな選曲だと思って演奏した。

それから数年後、その先輩とメールをした時に「あの時、ピアノを演奏してくれてとても嬉しかったよ。何よりのプレゼントになりました。」と言ってもらえた。良かったな〜と思い返した。

そしてさらに数年後、、、ようやく僕の選曲ミスが発覚した。僕は曲を聴く時は、基本的に歌詞についてはほとんど考えない。昔は作曲をしていたこともあり、どうしても歌詞ではなくメロディーに注意が向いてしまうのだ。たまたま "First Love" の歌詞を見ていたら、、、これは失恋の歌ではないですか。。。先輩の婚約の記念に、切ない失恋ソングを弾いてしまっていたのだ。

何年かの年月を経て、我ながらの天然ぶりにようやく気づいた。そういう意味で、"First Love" にまつわる「切ない」物語が僕にはあるのです。

まあ、この失敗は置いておいて、僕はこの歌が好きだ。これほどまでにセンチメンタルなピアノの旋律は滅多にない。

こんな切ない曲を聴いた後では、作業に戻るのがちょっとつらいな。でも、頑張ろう。