Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

勉強法 (2):予習か復習か

昨日から引き続く、勉強法に関する日記です。

今日のテーマは「予習か復習か」です。
大前提として、予習と復習はどちらも大切です。ただ、どちらも同程度にきっちりとやる人もいれば、どちらかにより重点を置く人もいると思います。僕の場合はどうなのか、、、日本とイギリスの大学院で分けて考えてみたいと思います。

日本の大学院(修士課程)
まずは、僕が日本の大学院で講義を受けていたころの話です。僕が大学院に入った時には知識も経験もゼロに近かったと思います。僕の研究領域は広く言えば「言語の認知科学」と呼ばれていますが、この分野を本格的に勉強し始めたのは院に入ってからです。学部時代から本を読んで勉強したり関連する講義を取ったりもしていましたが、僕が大学院時代に勉強した領域に関する知識はほぼ皆無でした。

このような状況だったので、講義についていくのはとても大変でした。僕が通っていた大学院では「講義」と言っても大きく二種類に分かれています:

1. 基本的な知識や考え方を学ぶ授業
2. 基本的な知識や考え方を前提とし、ある特定の問題に関して議論する授業

1. についてですが、このタイプの講義は初学者の僕にはとても有り難かったです。ある授業で先生が「予習として、テキストの指定範囲を3回読んできて下さい」と指示され、それを基に丁寧に講義をして下さいました。僕は全く知識が無かったので予習に力を入れました。復習としては、後で(必ずしも授業直後ではな無く)関連する論文や本を読みました。

次に 2. についてですが、これは「講義」というよりも「演習」と言われることが多いと思います。このタイプの講義は、大学院一年目の僕は全くついていけませんでした。。。特に僕が議論をまとめる担当の時には時間をかけて準備したものの、あまり的を射てませんでした。二年目では少しはましになったと思いますが、今になっては何故もっと本質をついたプレゼンができなかったのだろうと思い返されます。このタイプの講義でも予習が中心でした。復習に関しては、やはり、後で関連する論文などを読むことが復習につながっていた気がします。

まとめると、日本の大学院時代では、講義に関しては予習に力を入れていました。講義で学んだことを基に論文を読んで行くことが復習として機能していたと思いますが、講義のすぐ後にそれをやっていたわけではありませんでした。

イギリスの大学院(修士課程)
僕は日本の大学院(修士)を修了してから、イギリスの大学院で同分野の修士課程に在籍しました。

イギリスの大学院の修士課程は一年間のコースであることが多いです。そのため、日本よりも進む進度が早いです。また、僕は taught master というコースを取っていたので、知識や考え方を教える講義がほとんどでした。つまり、日本の大学院と異なり、「ある特定の問題に関して議論する」という講義の数は少なかったです。

ここでも、僕は予習に重点を置きました。日本で院を出ていたので少しは基礎知識があったので、授業の前に課題文献を読み、内容をあらかじめ理解した上で授業に臨んでいました。そして、授業を復習する場所として利用していました。自分が特に基礎知識があった分野では、授業を聴きながら「次の展開はこうなるだろう」とか「ここに書いてあること、本当かなあ」とか考えながら受けるようにしました。(← 今考えると、ちょっと嫌な学生だったかもしれません(笑))

ここでのポイントは「授業を復習の場として活用する」ということです。これは僕のオリジナルではなく、昔ある本で読んだことがあるのです。僕は中学生の頃に進研ゼミという添削ベースの学習教材を利用していましたが、その教材の中で(確か、読者からの投稿だったと思いますが)「授業を復習する場として聴く」という趣旨のことが書いてあり、これを読んだ時に「なるほど!」と思った記憶があります。

ということで、僕はイギリスでも予習に力を入れてました。ただ復習の形態は変わり、授業に出ることが復習として機能していた気がします。そして、日本の院の時のように、授業の後に(必ずしも直後ではなく)論文を読むことも復習の一部だったと思います。

イギリスの大学院(博士課程)
これは今の話です。イギリスの博士課程では授業が無いのですが、修士課程の授業にもぐりこむことはあります。その際には、バックグラウンドが無い講義の場合はきちんと予習をして、講義を復習をする場として活用しています。この点に関してはイギリスの大学院(修士課程)時代とそれほど変わらないと思います。

全体のまとめ
全体をまとめると、日本でもイギリスでも、僕は予習中心で講義に臨み、授業で学んだことをその後(必ずしも授業後とは限らない)に生かすことで復習の場を設けていると思います。そして、特に予習がきちんとできた場合は、授業を復習の場として利用することもあります。

このように振り返ると、大学院では予習が大切な位置をしめてきました。ちなみに大学時代は結構遊ぶことも多く、幾つかの授業を除いてはきちんと予習・復習はできていませんでした。さらに振り返って小学・中学・高校時代に遡ると、、、予習も復習も大してしていません!当時の自分にあったら、もっと勉強しろと声を大にして言いたいです。