Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

High Table ありがとう。

今夜も High Table に行ってきた。今まで、ブログの中で何回か High Table について書いたことがあるが、そもそも High Table とは何かということを書いていなかったように思われる。今夜は、感謝の気持ちを込めて High Table について書いてみたいと思う。

High Table とは、ホールの奥にある一段高い床に設置されたテーブルのこと。ここは、基本的に教授などの先生方専用の席だ。メニューは、下のテーブルよりも豪華で、ワインも供される。椅子やテーブルだけでなく、食器も豪華な仕様になっている。(下の写真は、食後にホールを取ったもの。一番奥にある横長のテーブルが High Table だ。)



High Table は先生方専用なのだが、カレッジから奨学金を受けている大学院生(College Scholar と呼ばれる)は、週に一度、High Table で夕食を取る権利が与えられる。僕の場合は2種類の奨学金を頂いているので、週に二度、High Table に行くことができる。一回につき一人までゲストを連れて行けるので、今晩はカレッジの友人である Sam を招いた。

まず、7時くらいに SCR (Senior Common Room) という先生方専用のコモンルームに集まり、歓談をする。SCR については以前記事を書いたので、どうぞご参照下さい:

SCRにて - Oxonian’s

High Table では、ゲスト以外の参加者は皆ガウンを着用する必要がある。オックスフォードでは、3種類のガウンがある。大学生用のガウン、大学院生用のガウン、そして教授などの先生方専用のガウンだ。



ただ、College Scholar であれば、大学院生であっても先生用のガウンを着ることが許される。僕は普段は大学院生用のガウンを着用するのだが、今夜は先生用のガウンを身につけてみた。

SCR で歓談をしている最中、下のテーブルで食事を取る方々は先にホールに入り、席に着いている。7時15分になると、High Table の参加者は SCR を後にし、ホールに移動する。ホールに入った瞬間、下のテーブルに着席している方々が一斉に話を止め、一斉に起立する。そして、起立している方々の横を、High Table 参加者が通る。High Table に着いたら、長が木製のハンマーを振る。乾いた音がホールに響き渡る。続いて長がラテン語の文句を唱え、一同着席する。このような儀礼的な夕食が、学期中の平日は毎晩行われている。

High Table のメニューは、前菜・主菜・デザートの3コース。これに、赤ワインと白ワインもつく。College Scholar であれば料理は無料なのだが、ワインを飲む場合はワイン代を払わなければならない。今夜は最後の High Table ということで、折角だからとワインを頼んだ。

今晩の前菜は、何らかのシーフードのケーキと、アスパラガス。ちゃんとメニューを把握しておけば良かったな。



主菜は、ロースト・ビーフ。このロースト・ビーフ、最高に美味でした。ロンドンのとある老舗のレストランで食べたロースト・ビーフを除けば、今まで食べたどんなロースト・ビーフよりも遥かに美味しかった。付け合わせのヨークシャ・プディングホース・ラディッシュも素晴らしい。一応学食であることを考えると、このクオリティーは驚異的だ。僕の写真ではこの美味しさが伝えられず、残念だ。



デザートは、レモンの風味が効いたケーキだった。



下の写真は、Sam との一枚。彼は、昨日のブログで書いた Michelle と同じ学科に通っており、学年も一緒。二日前に試験が全て終わり、今はリラックスムードとのこと。お疲れさま!



会食が終わった後は、一同で SCR に戻り、紅茶を飲みながらまた歓談する。普段は僕はすぐ退席するのだが、今夜はゲストの Sam や他の友人もいたので、9時半近くまで話していた。

今夜も、とても楽しい一時を過ごさせて頂いた。High Table は、ただ単に楽しいだけではなく、色々な意味で勉強になる場所だった。僕の奨学金は今学期で終了となるので、High Table に行く権利も今日を最後に無くなってしまう。権利が無くなるのは残念だけれど、むしろ、今まで3年間に渡って High Table で晩餐を楽しむ機会を頂けて、誇りに思うと同時に感謝の気持ちで一杯だ。今後、僕なりの仕方でカレッジに恩返しをして行きたいと思う。