Oxonian’s

韓国の大学で働いてます。EBSラジオ『たのしい日本語』も担当中です。

複雑な気分だけれど、その分精進しなければ

もう日が変わり金曜日だ。というか、いつの間にか朝になっていた。

夕方過ぎに学科の先生から連絡があった。僕が以前応募していた Travel Bursary(学会やフィールドワークなどにかかる費用に充てられる奨学金)を「繰り上げ」で受賞することになったとのことだ。この奨学金は、以前に僕が所属する学科で博士号を取られた方が寄付として設けて下さったものだ。

僕は3月後半にギリシャで学会発表をしたが、その学会発表にかかる交通費などのためにこの奨学金に応募していた。そして、残念ながら僕はこの奨学金を受賞できなかったというメールを頂いていた。

しかし今日、先生から連絡があり、僕が繰り上げで受賞することになったのだ。どういうことかというと、当初この奨学金を受賞した学生はビザの関係で奨学金を使用することができなかったそうだ。僕が受賞できたことはとても嬉しかったのだけれど、複雑な気分だった。

ビザが取れなかったということは、恐らく学会発表を行えなかったということだろう。(スカイプなどでオンラインで発表できたという場合を除けば。)こう考えると、少しやり切れない気持ちになった。

学会発表は大学院生にとって本当に大切な経験だ。自分の研究を高める機会だし、自分の業績をつける機会だし、様々な人に知り合う機会だし、本当に重要な機会なのだ。しかも、学会は通常査読があるので、せっかく入念に準備をして学会からアクセプトされたのに発表できないというのは本当に悔しい。

こう考えると、素直には喜べなかった。ただ、僕にはどうすることもできないし、そもそも最初に受賞した人が誰なのかさえ分からない。僕にできることは、奨学金を設けて下さった方、そして僕を選んで下さった先生方に感謝をしつつ、自分の研究を高めていくことしかない。そして、当初に受賞した人が別の学会などで研究を披露して高い評価を受けることを祈っています。